平成28年8月29日~31日の日程で文教こども委員会行政調査に行ってまいりました。
【視察地】
◯株式会社ヤマハミュージックジャパン調査
・おとまち~音楽の街づくりプロジェクト~について
◯東京都港区調査
・港区立芝浦アイランド児童高年齢者交流プラザ
◯静岡県調査
・ふじさんっこ応援プランに基づく少子化対策について
◯愛知県調査
・あいちスポーツコミッションについて
・教職員の多忙化対策について
◯名古屋市調査
・名古屋市科学館について
8月29日
○株式会社ヤマハミュージックジャパン調査
年齢・性別・国籍を問わず人々を繋げる音楽の力を使って地域の課題を解決する「おとまち」事業を展開しており、自治体や企業などの顧客とともに課題を洗い出し、地域の資源や人材を生かした計画を立て、その実現に向け、市民を巻き込んだイベントを企画しメンバー育成や企画の改善を通じて、最終的にはその主体を市民側に移譲し持続可能な地域コミュニティーへと自立させていくのが目的である。楽器がなくとも手をたたいたり口笛を吹いたりすることで、その場に集う見知らぬ同士が仲良くなれる音楽の利点を活用した試みであり、ジャズ発祥の地である神戸として、今後の成果などを注視していきたい思う。
8月30日
○東京都港区調査
高齢者・保護者・子どもたちが世代を超えて共に過ごせることを願って作られた複合施設港区立芝浦アイランド児童高齢者プラザを視察。運営は、(公財)東京YMCAが指定管理者として行い、1・2階に同財団が運営する「芝浦アイランドこども園」、3・4階に「芝浦アイランド児童高齢者交流プラザ」が併設されている。児童用・高齢者用それぞれの空間は分けられているが、高齢者の絵手紙の集いなどが行われている教室に、児童が入り込み一緒に絵手紙を作成するなど複合施設ならではの微笑ましい光景が日常茶飯事であるそうです。芝浦は近年高層タワーマンションが随所に建設され多くの若い世代が転入しており、日ごろからさまざまな世代が共に過ごす中で、一過性ではない交流が育まれている地域になくてはならない施設であると感じた。施設内には非常用折りたたみヘルメットが設置され、防災への取組意識の高さを感じた。高齢者の経験・知恵を子どもに継承していくには世代間交流が行いやすいこのような施設が必要であると感じた。
○静岡県調査
「子育ては尊い仕事」-社会全体で、未来を担う子どもと子育て家庭を応援-を計画の基本理念として静岡県では、子ども・子育て支援の新たな仕組み「ふじさんっこ応援プラン」を平成27年度から31年度までの5年間策定している。子どもの貧困率は16.3%(平成24年)と過去最悪を更新し、特にひとり親世帯については54.6%(平成24年)と深刻な状況にあり、県民・地域・企業・行政などが心をひとつにして、子どもと子育てを大切にする社会の実現と、きめ細かで子ども目線に立った子育て環境の実現を基本目標としている。すべての子どもたちが大切に育まれ、誰もが豊かさを実感でき、子どもたちの笑顔があふれる社会を目指し施策を進めていると感じた。
8月31日
○愛知県調査
全国・世界に打ち出せるスポーツ大会を誘致・育成し、地域活性化につなげる取組を行っている愛知県では、このような取組を地域の関係者が連携して推進するため「あいちスポーツコミッション」を設立。2026年開催予定のアジア競技大会、ラグビーワールドカップ2019の開催支援、東京2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の競技誘致及び合宿誘致などに重点的に取り組んでいる。また、「新城ラリー」や「奥三河パワートレイル」といった様々なスポーツ大会を活用した地域振興も行っており、県、県内自治体の他、スポーツ関係団体、経済・観光団体、マスメディア、企業・NPOなどが参画し、地域の関係者が一体となった取組を進めている。神戸市においても先ずは、東京2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の事前合宿誘致実現に期待したい。
全国的な問題となっている教職員の多忙化対策として、有識者・県・市町村教育委員会関係者等による「教員の多忙化解消プロジェクトチーム(仮称)」を設置し、多忙化の主な原因となっている部活動を始めとする業務の在り方、多忙化解消に向けた取組内容、厚生労働省の基準を踏まえた取組目標の設定について検討を行っている。考え方として、教員の在校時間の実態について、「見える化」を図ったうえで実態を把握し、管理職によるマネジメントを行う。マネジメントの一例としては、多数の教員が長時間従事している部活動指導の在り方をどのようにしていくのかを検討されている。教職員の多忙化対策として「教職員の増員ありき」という声が多い中、増員だけに頼らない解決方法を模索していくことは愛知県に限らず、全国的な課題であると考える。
○名古屋市調査
名古屋市科学館は、「みて、ふれて、たしかめて」をテーマとした、「生命館」「理工館」「天文館」から成る総合科学館で、視察日の8月31日は夏休み最終日ということもあってか、多くの親子連れで賑わっていました。目玉はギネス記録を持つ世界最大のプラネタリウムドーム「ブラザーアース」で、学芸員自らが制作したCGや最新映像機器等を駆使しライブ解説を行うため、1日に6回投影されるプログラムは同じだが、学芸員の説明ポイントがそれぞれ異なるので観る側を飽きさせない工夫がされていると感じた。また、プラネタリウムドームの名称「ブラザーアース」であるが、ネーミングライツにて名古屋市瑞穂区に本社を構える、ブラザー工業株式会社と年額3,650万円(税別)にて5年間契約を交わしており、年間約140万人の来館者に対して絶大な宣伝効果があるのではないかと思う。体験プログラムも豊富で、マイナス30度の世界を体験できる「極寒ラボ」や、高さ9mの人工竜巻を体験できる「竜巻ラボ」など集客力を高める仕掛けを積極的に行っています。